PBWなるもの ……人を選ぶゲームだと思うの



2017年2月某日、知らんアドレスから奇妙なメールが届く。件名は、

<株式会社トミーウォーカー>文章ライター業務のご案内

? なんじゃ、こりゃ。
webシステムに関しては素人ながら、サイト開設してから今日まで十数年、スパムメールの類に悩まされたことはない。
( ☆を@に変えてください ) を読み取るスパムでも開発されたのか?と首をひねりつつ、ひとまず 『トミーウォーカー』 なる会社についてキーワード検索してみると。
べつに怪しい企業ではなく、PBWなるブラウザゲームの運営元らしいが……PBW? なんじゃ、そりゃ。
ここ3年、まとまった自由時間なんぞ月1程度しか確保できない管理人、昨今のゲームには疎いぜ!
さらに調べてみると、TRPGの発展形らしい。あー、そっちなら少し分かるぞ。やったことは無いけどSEED全盛期にちょこちょこ小説公開してるサイトを見かけたわ。
なんか複数人で相談しながら書いてる感じで、序盤は設定から文章までノリノリ凝り凝り、おもしろそうだったけど、あっちもこっちも中盤に差し掛かる前に途中放棄されていた。
あれを企業さんが、世界設定や画像準備したうえでユーザー募ってやってるのかー。いろんなこと考える人がいるなー。

しかも富士見書房と提携したタイトルも出しているですと?
スレイヤーズのとこじゃん! 流行りに疎い管理人が知らんかっただけで、その業界では実力者なんだろうな〜と、ここで少し興味が湧く。
ええ、スレイヤーズ直撃世代ですとも管理人。ゼルアメとヴァルフィリが好きだったなあ。ドラグスレイブの呪文くらいなら今でも余裕で暗唱出来ますぞ。

それはさておき、このメール本物なのか??
調べると一時期騙りメールが出回ってたという記述もあり、本物なら 『重要』 扱いになっているらしいので確かめてみると、そこはクリア。
しかしメールに添付されたURLから直接飛ぶのは止めといて、公式サイトの該当ゲームカテゴリを巡ってみると、確かにライターは募集している様子。
ただ採用されるには応募して試験を受ける必要がある模様。なーんだ、じゃあメールの真偽は深く考える必要ないわな。
おそらく会社に雇われたバイトさんが、同人系サーチの小説カテゴリに登録している稼働中のところへ順々に宣伝メールを送っていらっしゃるのでしょうけれども。

そりゃあゲームのシナリオライターに憧れない訳がない。ゲーマーだもの。
しかし今は、レベル2の遊び人の為に悟りの書を探して賢者として目覚めさせるという重大ミッションを抱えておるのです。ちょっとした空き時間に気分転換でやれることじゃない。
さらにゲームの形態的に、試しにプレイするとなったら決まった時間に一定時間拘束される。不可能。ドタキャン常習犯に成り下がって他プレイヤーさんに迷惑かけまくることが、始める前から目に見えております。
かといって未プレイで書けるような代物でもないでしょう。ざっと説明文を読んだだけでも、世界設定とかアイテムとか技とか多岐に渡るし、プレイヤーの数だけキャラクターもいる。

加えて管理人、キャラメイキングの段階で挫折しました。
なんでだろうか……中坊の頃には、活躍させる世界設定やシナリオもろくすっぽ作らんまま、わんさかmyキャラ考え出してたのに。
舞台は整えてもらってるのに、いまいち楽しくない。乗れない。
ライター云々よりそっちが引っ掛かり、一晩考えてみると。

まず設定が壮大過ぎて、そこに放り込むキャラクターを考えるのに、これ!という取っ掛かりを掴めない。
とりあえず遊んでみれば掴めるのかもしれないが、ログインにはキャラ作りが必須。
ランダムキャラでスタートすれば、そこはクリア出来るけど、思い入れも無けりゃ人物像も無きに等しいキャラを、喋らせ動かし戦わせ、参加者の皆さんと交流する……?
1日でギブアップするね、うん!
おしゃべりするのがストレス解消になる社交的な人であれば、楽しいシステムなんだろうけども。
一人でボーッと思索に耽ったり音楽聴いてるのが何よりのストレス発散である人間にとっては、こりゃー修行だ。仕事の一種だ。メンタルすり減る。
だって画面の向こうにいらっしゃるのは生身の人間なんだもの。失礼があったらいけないし、モタモタしてたらご迷惑になるし。気疲れするなって方が無理。

加えて、そんな感じで作り上げられた冒険の過程を小説にするとなると、全員を活躍させたいし、自分なら選ばないだろう行動を取る人物の内面描写も必要になってくるでしょう。
無理だー。文章力を磨くよりもまず、調整能力が必須なんじゃないかコレ。勉強にはなるだろうけど、やっぱ片手間に出来ることじゃないわ。
安定した自由時間と、どっぷり作品世界に浸って発生する事件まで自然と思い浮かぶゲーム中毒状態の脳みそ、この二つが揃ってなきゃ話にならん。

結論。少なくとも今の自分には無理。
さらに贅沢を言えば、メール内で指定されてた 『ケルベロスブレイド』 よりも 『サイキックハーツ』 の方が舞台設定もろもろ断然好みだったり。
数年ごとに新タイトルを発表されているようなので、私生活が落ち着いた頃に心惹かれる世界のゲームが出ていたら、まずプレイヤーとして参加して遊んで、ライター応募してみるのも良いかな。応募することは大切だってガネーシャも言ってたし。
ただ、楽しいから創作文が書けるかっていうと、そう単純な話でもないんですよねー。

FFシリーズとか、漫画ならハガレンやフルバ。大好きだけど創作意欲はこれっぽっちも湧かんのよなー。
管理人にとっては過不足なくキレイに終わった完成品なので、そこで満足していて、いじる気が起きない。

大好きな原作、だけど、なんでここ放ったらかされてるの? 省いたまんまでOKなの? 大切なとこじゃないの?
そういうウズウズを解消するべく、原作では目立たなかったサブキャラなんかを掘り下げて、物足りなさを解消したいっていう気持ちが動力源になっているのでしょう、私の場合。
だから二次創作しか出来ないんだよなー。オリジナルで書きたいこと浮かばないし、書ける気もしない。脳内に取っ掛かりが無いから。
オリジナルで活動しているクリエイターさんを心底尊敬しますわ……。

ともあれ 『己の創作意欲』 を見つめ直すきっかけになった出来事でありました。会社繁栄のお役には立てそうにないけども、視野を少し広げてくれたメールに感謝。


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