GUNDAM SEED IMPRESSION

〜運命感想ネタばれ有り〜



■PHASE-44 『 二人のラクス 』

冒頭。ミーア嬢、あっさり実物に気迫負け。
これはまあ、彼女に非はありません。デュランダル氏の計画がザルだったんです。
……が。そこからどう出るかと思いきや、ラクスは、議長は指示しないしロゴスやジブリールの味方でもないと、自分の立ち居地を述べただけ。世界の有り様に疑問を投げかけただけ。あの〜……せっかく世界中に映像流れてるんだから、
デスティニープランについて話しましょうよ!?
憶測の段階だろうと資料は手元にあるんだから、もっと具体的な話をしましょうよ!
少なくとも、これまで議長が紳士路線を貫いて、ミネルバが正義の味方扱いされていたことは事実なんだから、そりゃ大半の人々はコニールちゃんのような結論に至るでしょうよ! もしかしたら、世界中で血が流れる事態を食い止めるか、先延ばしに出来る貴重なチャンスだったかもしれないのに――仲間に対して語って、結束を固めるのは後でもいいんですよ、いつでも話せるんだから!
そんなこんなで、もたもたしているうちに、ラクスが二人存在するという謎の事態は、レクイエムやらの騒ぎに流されて、うやむや。
だあああああ、不完全燃焼すぎてウズウズする〜!! まあ、ラクス効果のお陰で、
ジブリール隠匿に関するオーブへの糾弾は、どっちが本物かという議論に逸れましたけれども。
もしかして、今回の乱入の目的……それだけ? わざわざストライクフリーダムで行政府まで飛んでいったのに? な、納得いかないっ!

ルナマリア動揺
アスランが生きている。メイリンが生きているかもしれない。そして尾行任務 (?) の折、耳にしたまま沈黙を保っていた、プラントのラクスが偽者であるという話が、急激に真実味を帯びてきてしまった、この状況。
序盤の屈託ない明るさは陰を潜め、浮かない表情が目立つルナマリアですが……ヒロインの一人である彼女が、このまま最後までなんのアクションも起こさないとは考えにくい。レギュラー女性陣では、
一番危険な位置にいる気がします。今度こそ有言実行で守り抜いて、メイリンちゃんと再会させてあげてよ、シン!(願)

ディアイザ大活躍 ★
「おい、なんなんだよ、これは!?」
Wラクス登場に対する、あの反応は普通に考えれば、ミーアを本物と信じていた故なのでしょう――が、翼の系譜はディアミリ中心個人サイトです。管理人の脳みそも同様です。台詞の意味合い、三秒で脳内変換完了しました♪
(早っ)
本編ベースの二次創作をするうえで問題だった、ストーリー終盤のディアイザの立ち居地は、今回めでたく確定。ばっちり活躍しまくってましたし、次週も出番はあるようですし、あとはディアミリ再会を残すのみ! 最終話でもいいからと祈りつつ、44話に至るまでの空白時間は、好き勝手に補完させていただくとしましょう♪

レクイエム怖い……
前作の、サイクロプスを思い出しました。ミネルバの乗組員には、あの場所に家族がいた子もいたようです。ネットでは不吉な噂も飛び交っていましたし、もしあんなものに金銀コンビが吹き飛ばされていたらと思うと……がたがたぶるぶる。
兵器が争いを呼ぶのか、それとも人間の心が? 以前、ラクスが呟いていた言葉ですが、これたぶんどっちかじゃなくて、どっちもなんですよね――そういやあ、DESTINYの1話目で、カガリとデュランダルも議論してたっけ。強すぎる力が争いを呼んで、争いが無くならないから力が必要とされるから、兵器は造っちゃだめなんです、きっと。卵が先か、鶏が先かという話です。強い “力” を望んでしまう、ひとの弱さはそうそう変えられないから、まず出来ることは人殺しの道具を作らないこと。
その点だけ取り出してみれば、戦争を無くすためにロゴスを撃つという、議長の考えは的外れなものではないのでしょう。けれど、問題はその手法と、後々の予定。

議長計画の是非
ラクスが語ったデュランダルの真意が、的を射ているとして。
彼の思想が実現すれば、戦争はなくなるのか――
どう考えても答えは 『NO』 です。人間が、機械じゃなくて生き物であるかぎり、無理です。どれだけ完璧に統制しても、必ず綻びは生じます。そうでなきゃ、そもそも世界に争いなんか起きてません。
DNAによって人生の全てが決められ、疑問を持ったり反抗しようとすれば強制排除される。社会システムに敵対するものを認めないという部分が、すでに戦争の縮図でしょーに……。
そうして、なんの疑問を抱くことなく自らの役割を果たすことだけを求められる人々は、記憶を奪われ未来の選択肢さえ与えられず、戦争の道具にされてしまったステラたち、エクステンデッドとなんら変わりない。もう割り切って見ているだけなんて御免だ――そう、思ったのでしょうか? ネオさん、ちゃんと三人のことを回想してくれました。よかった〜、マリューさんとらぶらぶしているだけじゃなくて!
(そりゃあ……)

遺伝子云々を除けば、議長の思想って資本主義の対極なのかな。社会主義。確か、小学校の教科書で習った気がします――ソビエト連邦
(現ロシアの前身) が、国民すべて公務員というような体制とってて、頑張ってもサボっても見返りは同じだからと人々が気力を無くしていって、企業の稼動効率がとことん悪くなって、とうとう制度自体が崩壊したってヤツ (うろ覚え)
そういう極端な方向じゃなくて、それぞれの制度の長所を上手く組み合わせてやっていくことは、この世の中できないものなのか……。

レイ・ザ・バレル
なんにせよ議長の理想の社会は、ラクスの憶測どおりなら、レイくんのように、自分の意のままに動いてくれる国民ばっかりいる統率された社会ってことになります。
確かに彼は、表面上はなんら迷っているように見えません。デュランダル至上主義。もがいて悩んで迷っている周囲を余所に、言動に一貫性があり、与えられた役割を全うするために動いている。
議長は正しい。
偽者が間違っていて、本物が正しいという区分は無意味だ。部分的には一理あるかな、という気もしますが――たとえば、このまま議長に従い続けて、デュランダルを除けば最も親しい相手であろう、シンやルナマリアを失うようなことになったら。やっぱり彼も悲しいんじゃないかなぁ……自分でそうとは気づけなくても、気持ちの奥底の部分は傷つくんじゃないかなぁと思うのです。
ステラ救出に協力したことだけは、どうしても、議長云々じゃなくて彼個人の感情がそうさせたんだと思うのですよ。私がそう思いたいだけかもしれませんが (汗)

舞台は宇宙へ
これまで世界各地を、まるで使いっ走りのように転々とさせられてきた戦艦ミネルバ。レクイエム騒動を受け、宇宙に戻って来いとの通達が出ました。労働基準法なんて知ったこっちゃありません。役立たずはいらないけれど、使えるものはとことん使う――恐ろしい上司です。
タリアさんが過労で倒れたら、議長の所為です。クルーに無理をさせるのは心苦しいけれど、かつての恋人を野放しにしておくと危険だと、女の勘が告げているので、タリアさんは気合と共に宇宙へ向かいます。

アークエンジェルもまた、宇宙行きを決定します。顔ぶれがやや違うけれど、前作でオーブを脱出した直後の話し合いを髣髴とさせる……それにしてもメイリンちゃんは順応性が高いなぁ、と思ったけれど、よくよく考えたら元敵兵なのにしっかり馴染んでいた人物は、他にもいましたね。某D氏とか (笑)

さてさて。好感度の回復に伴い、ちょっとだけ控えめになりつつある、
本日の、アスランへの突っ込み
あなたは諦めが悪いんじゃなくて、死にかける度に誰かに助けられるという、悪運の強さが天下一品なだけです。以上!




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